トレーニングにおける障害リスクを減らす

せっかく健康や機能改善のために行っていても、ケガのリスクがトレーニングにはあります。しかし、実はスポーツ競技に比べて、傷害発生率からみると危険性は低いとされています。とはいえリスクマネジメントをしっかりすることは重要ですね。

その中でも、特に傷めやすい背部、肩、膝についてです。

直立するようになり得たものと引き換えに、人の背部の筋肉は力学的有効性が低く、挙上する重量を上回る力を発揮しないと持ち上げることはできません。また直立姿勢により、寝ている時以外は椎間板が圧縮された状態になっています。物を持った時はさらに強い力で圧縮されます。この圧縮により傷害が発生するおそれがあります。特に下背部は傷害を起こしやすく、腰という字のごとく扇の要のように、体幹が前傾すると下背部とウエイトを支える作用点との水平距離が増し、下部腰椎へ負担が増大します。そしてその水平距離に対し下背部のモーメントアームが短いため、力学的有効性が低くなっています。

負担を最少にするには、背部を丸めないことです。背中をやや反った姿勢が望ましいです。傷害予防にもなり、下背部の筋群の発揮できる力も大きいです。逆に反りが強くなってしまうと、椎体の背側の椎弓が椎間板後部を押しつぶし、椎間板損傷のリスクを高めてしまいます。

下背部を守るために、腹腔内圧を高める方法があります。腹腔は横隔膜や腹横筋、体幹の深層筋が収縮すると腹腔内圧が高まります。それにより脊柱の支持機能を助けてくれ椎間板の圧縮力を減らしてくれます。大型家具や家電などを動かす際に、息を吸い、グッと止めて持ち上げるなんて経験ないでしょうか。力を発揮する時に、無意識に呼吸を止めるのもそれに似たような状態をつくっているのです。

肩関節は、身体の関節で最も大きな可動域を持っていて、正常な動きの中でも関節が2.5cm離れる状態が出来ます。そのため、傷害を起こしてしまいやくなっています。さらに、安定性がない肩関節を守るため筋肉や腱、靭帯などが密集しているため、わずかな腫れが周囲の組織、構造と摩擦を起こし損傷を悪化させてしまいやすいです。さまざまな組織が互いに接触しやすく、腱炎など炎症を招きやすいです。肩に限った事ではありませんが、軽い重量でのウォームアップや、正しいフォームで行うことがマストになります。

膝関節は、肩や股関節とは違い、3Dの動きを成さず2Dの動きをします。それでも、傷害リスクが高いのは、大腿骨と腓骨・脛骨の長い二つのてこの間にあるためです。てこが長い分大きな力が発揮されるので、わずかにでもその2Dから外れてしまう力が加わった場合に傷害を引き起こしてしまいます。ですが、これは主にスポーツ競技において、特にコンタクトスポーツにおいて発生しやすく、トレーニングにおいてはあまり起こらないでしょう。
トレーニングにおいては、大腿四頭筋の膝の付着部分である膝蓋腱に大きな力が加えられ腱炎を起こすことがあります。これは、側手の重心が適切でない場合などに招きます。

・軽い重量で、1~3セット以上ウォームアップを行う
・2週間以上、トレーニングを休止し再開する場合には、比較的軽い重量にする
・関節やその周囲に違和感があれば挙上重量を下げ、反復回数を増やす
・いきなり、最大挙上重量に挑戦しない

安全・安心、そして健康体を手に入れましょう。